看護師であれば全員がページをめくった事がある この本を改めて読み直してみました。
学生時代は読み流していた物がこんなに価値のあるものだったと再認識しました。
言うまでもなく ナイチンゲールは看護の母です。
ナイチンゲール以前から傷病人を看護する仕事はあったのですが その頃の看護師は病人の傍らで売春をするようなアル中の社会の最下層の女性でした。
看護師が付き添う。ということは
自分の命もこれまで、と覚悟が必要な時代でした。
ナイチンゲールは貴族の娘として生まれ最高の教育を受け
娘の頃には女王陛下にも謁見し 社交界の花形でした。
彼女が何故看護師を志たのかは不明な点もあり 一説には結婚話が破談になり職業婦人を目指した。
とも言いますが
多くの伝記では
神の御告げがあったと書かれています。
ジャンヌダルクも神の御告げが‥と言ってますから 大きな情動に突き動かされる時は そこには神の力が働いているのかも知れませんね。
さて この本の素晴らしさですが、
今 大病と言うと 癌や脳血管疾患 心疾患ですね。
当時は結核やチフス、ジフテリアなど感染症でした。
しかし まだ病原菌は見つかっていない時代なので 何故そのような病気になるのか原因不明だったのです。
しかし ナイチンゲールは伝染病の予防も治癒も大切なのはまず 環境である。としばしば力説しています。
特に清浄な空気と陽光は重視しています。
換気と採光に鈍感な看護師は問題外であると。
病室やベット環境を完璧に整え 患者の自然治癒力を引き出す事が看護の基本であると述べています。
また 食欲のない患者に対して いかに食べさせるか。
今なら 点滴で対処できますが 当時は口から入らなければ死ぬしかありませんから、栄養価が高く食べやすい食事をきめ細やかな愛情で与えています。
そして 看護師は冷静に科学的に患者を観察し変幻自在に看護を展開しなければいけないことを教えています。
女性に専門職がない時代に看護師という職業の礎を作ったナイチンゲールの情熱と功績は世界中で讃えられ その灯火が消える事はありません。
Ns.D
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